2013年2月12日火曜日

昨年10月天童市県営アパートで起きたデートDV殺人事件

被害者とそのご家族には心からお悔やみを申し上げたい。

容疑者への裁判判決がもうじき出るという。
この事件から、デートDVの特徴を見てみよう。

容疑者は「被害者と1年ほど付き合っていた。何のトラブルもなかった」
と話している。容疑者から見れば・・・こういう認識だ。

しかし、母親の話から、8月には、部屋を訪れた
被害者を返したくないと鍵をかけて外に出られないようにして
首を絞めたといったことがあったようだ。

彼女からの助けを求める電話で、母親が「警察に通報する」といったので、解放したということがあった。

これは非常に危険がサインだ。
  彼女側にしてみれば、何のトラブルもないということではないだろう。

報道からはわからないが、首を占める行為があるだけではないだろう。
何らかの脅しや暴力があったと想像できる。

そこでは、容疑者は、彼女を自分の思いどうりにして当然、それに逆らおうとすれば暴力を使ってでも従わせるという考えが見える。

これがDV加害者の特徴の一つである。

近所やほかの友人知人に見せる顔とは別の、恋人にだけ見せる顔がある。

ごく親しくなれば、恋人になれば、束縛やおどして言いなりにさせてもいいと勘違いしているのである。

暴力は相手を選んで行われる。

恋人を自分の所有物ように思い、見下すのである。自分より下だと思う相手を選んで暴力をふるう。
これはいじめも虐待もひどい体罰も同じだ。

また、恋人間でこのような暴力が行われると、多くの場合、そのあとは、ひどく優しく謝ったり、態度が変わったりして、もう2度としないなど下手に出るコントロールが行われる。

そうすると、好きな相手でもあり、つい許してしまう。
もう怒らせないようにとますます気を使う。

被害者の方が自分の気持ちより加害者の気持ちや要求に逆らわないよう、
ますます言いなりになり・・・・
緊張が高まり、また暴力が起こる(どんなに被害者が気を使っても暴力がおこるきっかけは加害者次第でなんでもありなのだ)という繰り返しのサイクルがある。

愛情と思われる行為(本当の愛情なら暴力を振るわない)と暴力をくり返しうけているうちに混乱し、わからなくなってしまうのだ。

そんな風にコントロールされてしまうと、「首を絞められた」という怖い思いをしたにもかかわらず、

呼び出されれば、また会いに行くという行為に出てしまう。

そこがDVの怖さである。

コントロールされてしまうことを早く周りが知っていて、適切に対処できていれば、防げたかもしれない。

そう思うと多くの人にデートDVの特徴を知ってもらうことが必要だ。

他人事とは思わないことだ。身近な問題だ。

山形県のアンケートでも高校生大学生の5人に1人は、交際相手から何らかの暴力を受けたことがあると答えている。

早めに気づき、防ぐことができる、深刻な事態になる前に解決にむか得るように予防教育が必要だ。
デートDVは身近な問題だ。

これから交際を始めるような、中高生に、人との対等で尊重しあえる関係を学ぶチャンスがあればと願う。

1 件のコメント:

  1. 山形県で、23年度デートDV実態調査の結果によると
    恋人からの行動における暴力としての認識は甘いといえる。

    知らない人からされたら当然訴えたり警察に届けるものが、相手が恋人なら許してしまう。仕方がないと思ってしまうということ。

    それにしても殴ったりけったり物を投げつける、性的なことを強要する、大声で怒鳴るは7割が暴力と思っている。が、
    後の3割は時と場合によるという答えだ。

    身体的な暴力も、3割が、そうでない場合もあると考えていることが、驚きだ。

    これは、恋人や夫婦は(主に男性に)従うものだとする価値観、体罰を容認する考え、昔ながらの軍隊的な教育が、完全に否定されていないということだ。

    従わないと、痛い目に合わせるという方法で、人を教育できると考えている。それに代わる、人を人格的にも、情緒的にも優れた大人を育てる方法が、確立されていないということか?

    しかし、ここ数年、アサーティブやコーチング、選手の力を出せるような指導方法も、いくつか、言われ始め、出てきていることは確かである。
    喜ばしいことだ(^^)

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