2012年2月13日月曜日

デートDVの実態調査 山形の集計結果から

2月10日、NHK山形の夕方のニュースで発表された。
若いカップルのデートDVの問題をやっと県も重要だと位置づけたようである。
私が研修を受け、プログラムを学んだAWAREは2006年から養成講座を行い全国で、予防教育を行っている。

その後、神奈川をはじめ、意識実態調査は、市や大学、高校で行われ、多くの若者のカップルに存在することが知られ、予防教育を行う高校、大学が増えてきている。

山形でも細々と、男女の対等尊重な関係を考えるプログラムを、CAPプログラムの人権の視点を交え、エンパワメント山形が行ってきた。

アンケート結果から・・
「デートDV」の認知度は、
意味も言葉も知っている・・・・・34% 意味も言葉も知らないは、男性62.3%と女性より多い。
デートDVにつながるような暴力を許容する割合は、
何を言っても長時間無視するや携帯チェック、友達付き合いの制限は、暴力と思っていない人が、6割以上。
性行為を無理強いするは18パーセントが暴力と思っていないというから驚きだ。
恋人になれば何をしても許される、という恋愛感を持っている人がいるという現状。
そういった価値観がDVを生み出すのだ。

デートDVの被害にあったことがある人は、携帯のチェックを含めると、半分近くに上る。
相談したかでは、半数以上が相談しているが、男性がずっと少ない。相手はほとんど友人で、された友人は、話を聞くもののどうしていいかわからないなど、解決の方向に行くのは難しそうである。


しかし、若者のDVを生み出すような考えは、周りを見れば、ある意味当然かもしれない。ドラマや漫画、少年少女向け雑誌は、DVをあおるような描写にあふれているのだから。

大人社会の女性(多くの男女のカップルの場合)に対する偏見、特にカップルになったときの女性の立場を男性の従属物のように見る、一人の主体性を持って人権の持った存在として見ることをしない考えや現状が影響を及ばしていることは、否定できない。

暴力容認や従属的な恋愛観、女性を性の商品として扱うことに対する危機感のなさ、ジェンダーに縛り付ける彼女、妻に求めることなど、決して男性女性が対等でないことを表している。

DV防止法ができてから10年以上。被害者対策は、少しづつではあるが、行われても、次々とDVの(社会の悪い影響から)価値観を若者に、伝えてしまっている現状では、なかなか減らすことができない。

実際、デートDVの果てのストーカー殺人や傷害は、次々と起こっているではないか。
DV防止法だけでは、守れない現状だ。

だからこそ、歯止めをかけるべく、予防教育が欠かせないのである。
いつの間にか被害者加害者になる前に、きちんとした人権教育、男女が対等であること、一人ひとりの人格を尊重するそういった教育が行われることが、加害者を増やさないことにつながる1つの重要な要因であることを、行政も国も、もっと認識してほしいところである。

それは単なる「しては、だめです」的な脅しの教育ではなく、若者の力を信じ、エンパワメントするような教育でなければならない。

若者が自分で正しい知識を持ち、いろんな場面で、自己決定できる力をつける教育、人との関係は、上か下かではなく、対等に、話し合える関係を、信頼しあい、成長し合える関係つくりを教えていかなければならないのだ。

特に、性の自己決定権を、男も女も関係がなく、一人一人が自分で、きちんとおこなえるように導くのが大人の役目ではないだろうか?

小さいころから性に肯定的な教育を行い、科学的な知識をもち、自分も尊重されて育った子どもたちならば、人を尊重することを覚えて対等なカップルになり得るだろう。

性を商品化するようなものを好んで読んだりしないだろう。

人を侮辱しているものに敏感になり、結果、自分も暴力を受けにくくくなると思う。
そういった教育が、エンパワメント山形のデートDV防止プログラムなのである。

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