2011年11月25日金曜日

暴力の傷つき

「暴力はいいか?」と問われたら、ほとんど多くの誰もが「いけない」と答えるだろう。
なのに、暴力が残念ながら、身近に多く存在している。


いじめ、セクハラ、パワハラ、DVや虐待など権力を使って黙らせている現実・・・・。

そう、暴力は、「深く人の心と体を傷つける」


体の傷は、時とともに癒され治っていくかもしれない。


けれど、心の傷は、癒されることなく、おしこめられれば、深い悲しみや辛さは怒りになる。


その怒りを、誰にも話せず、話しても分かってもらえず、さらに傷ついたりすれば、再び、おしこめ続け、腐敗し、ものすごいパワーの憎悪となって、ふつふつと心にたまっていく。
否定され続けると、人格を破壊してしまうほどに、ダメージを負うことすらある。


そうなると、時を重ねても、癒されることなく
時を重ねるたびに、増大し、心をむしばんでいく。
そして、ある時、たまりにたまった感情が、ものすごい怒りのパワーとなって、他の人や自分に牙をむく、爆発する。


暴力の連鎖・・・・どこかでそれを食い止めなければ・・・傷ついた人を癒す、傷つく前に予防したい。


暴力は、身体的なものだけではない。
DVというと多くの人は殴る、ける、骨折や殺人に至るようなことを考えるかもしれない。もちろんそれはそうだが、体に一切触れなくても、恐怖を与えて人をコントロールすることはできるのだ。
怒鳴る。馬鹿にするといった罵倒・・・・・精神的暴力


人のプライベートな性的権利を踏みにじる、人格を破壊する可能性もある・・・・性的暴力
それがどれほど人の尊厳を傷つけるのか、自尊心を傷つけ、自分の存在を否定されるしんどいものなのか!


身近な人に、そんな気はなくても支配的になっていたり、ばかにしたりしていないだろうか?
自分自身を問うことから始めよう。


さまざまな暴力で、傷ついた人を癒す、傷つく前に予防したい。そんな思いからデートDV防止プログラム(人との対等尊重関係の学び)のワークショップを提供している。


先日高校で、ワークショップをしたあとの生徒が、「私たちが普段何気なく生活している中で、暴力は違う形で、たくさん存在しているのだと思いました。」と感想を書いてくれた。


そう、暴力はいけないことだと思っているのに、実はあまり気づかずに、そう思われない暴力が多く存在している。それぐらい・・・・・たいしたことない・・・・。そんな風に暴力を軽く見ていないだろうか?


暴力にあってしんどい思いをしている人がいたら、話を聴いて、寄り添うことができればいいなあ。


「そうか…、よく話して切れたね。ありがとう。つらかったね。しんどかったね。そんな中で、よくやってきたね。」


人は人によって傷つくけれど、また、人によって癒されると思うから・・・・


暴力のよる心の傷も、話を聴いてもらったり、自分自身の心と体のことを知ったりしながら、癒され、失われていた力を取り戻し、回復することはできると思う。


エンパワーメント…力を取り戻す・・・それだけにとどまらず、その傷が宝に代わって、輝いて生きていけるようになった人がたくさんいる。


人の力ってすごい!

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