2012年6月26日火曜日

さくらんぼ泥棒

農家の畑で、腹が減ってついつまんで食べてしまった人の新聞記事。
もちろん盗み食いはよくないが、所持金もなく、住所不定、住むところもなく、フラフラと歩いてきたはての行為。
しかも「なにしった」と言われ、すぐに「悪かった。腹が減っていて」と力なく答えたという。

「被害を最小限で食い止めお手柄」という文面だったが、何かすっきりしない。

さくらんぼ泥棒は、トラックで大量に盗む事件もあり、神経をとがらせているだろう。
しかし、指摘されすぐにあやまり、見つかって押し倒して逃げたわけでもなく、罵倒したり、捨て台詞をはいたわけでもなく、盗んでそれを売って金もうけしようとしたわけでもない。

腹が減って数粒たべただけの素直な66歳を警察に通報し、新聞記事もこのような文面で書くなど、人として、あまりにも人情がなさすぎないか?

警察がその後、どのように対応したかはわからないが、行政の福祉相談のようなところにつなぐのが、人として、その人を心配し、温かく支えることになると思うのだが・・・・。

本当に何も食べていなくて、腹が減って、所持金もなく、途方に暮れたであろうその人を、温情を持って、おにぎりのひとつでもあげて、話を聞き、相談窓口につなぐとか、行くように促したり、できたら良かったのではないかと思う。

また、新聞記事もその人の状況にも触れ、もっと違う書き様があるのではないかとも思う。

よく、少年犯罪に大人たちは、「今の若いものは・・・・」などというけれど、子どもや少年が些細な罪を犯してしまった時の大人側の対応で、良くも悪くもなってしまう場合があると思う。

以前は、道すがら、リンゴをついとってかじった子どもに「そんなことしてダメだべ、リンゴ食いたいのか、ほら持っていけ」などと言って、大目に見てくれる大人がいた。

もし、その時に「なんて悪いがきだ、どこの学校の何年生だ、名前を言え」などと高飛車にしかりつけ、学校に通報し、大ごとになり、先生からも大人からもこっぴどく叱られたなんてことなら、
もしかしたら、大人への恨みが募り、反感を持って非行に走るかもしれないではないか。

もちろん時と場合によるが、そういった大人側の温かい対応や、失敗や些細な罪を大目に見て、「そんなことするとは残念だな、本当の君はそんなことしたくないんじゃないのか?」と言いながら、子どもの心に訴えかけた方が素直に反省しやすいと思うのだ。いや、子どもほど、素直に過ちを認めやすい。
臨機応変、その時の相手の状況によって、おおらかに対応したいなあと思う。

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